働き方改革って本当に必要?働き方改革手順ガイド

みなさん、こんにちは キャリアサバイバルの松岡です。
このブログは、会社の経営者であるキャリゴリ社長と人事コンサルタントの私、松岡が対話をしながら学びを深めていくブログです。

さて、本日のテーマは「働き方改革って本当に必要?働き方改革手順ガイド」ということで日々の業務を生産的に進めるメソッドをお伝えいたします。

ちなみに働き方改革というと、どのような印象がありますか?
中小企業の社長からしたら、ちょっとめんどくさいものという印象があるかもしれません。しかし、中小企業ならではの働き方改革の導入をしていくことが生き残る上で大変重要になってきます。本日はそのヒントを皆様のお伝えしますのでぜひ、最後までお付き合いいただけると嬉しいです!

キャリアゴリラ
ほな、本日もよろしゅう頼んます。
この働き方改革いうのをこの2年くらい力を入れて取り組んではいるけど、なかなかしっくりこない感じやねんな~
だいすけ
キャリゴリ社長、今日もよろしくお願いします!
それにしても2年も前から働き方改革進められてるなんて相当すごいじゃないですか!
ただ、そのしっくりこない感じって言語化するとどんなものになるんでしょう?
キャリアゴリラ
せやな~制度が生産性が上がっていない感じがすんねんな~。そもそも何で働き方改革ってやらなあかんのかというのがよー分かってへん気がするわ

働き方改革の目的とは

働き方改革という言葉が一番はじめに言われはじめたのは2019年ごろです。働き方改革の目的は、ひらたく言えば「人手不足の解消」で人口減少のトレンドの中で働ける人はなるべくたくさん働いていただきたいという考えからきています。これらは1億総活躍社会と言われる、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗を経験した人も、みんなが包摂され活躍できる社会を実現することを目指し働き方改革というものが叫ばれるようになりました。
ただし、人口動態によって、働き方も大きな変革を求められているのは間違いありません。

上図は、総務省「人口推移」により作成された図です。

・人口ボーナス期

人口ボーナス期とは“若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない人口構造の状態”を指します。
かつての日本(高度成長期)はこの人口ボーナス期でした。この人口比率にある国は、安い労働力があふれることで、早く、安く、大量に仕事をこなして世界の市場を凌駕する事ができます。この頃は、働けば働くほど経済成長が見込める状態で、今では考えられないですが1970年代には1ドル300円を超えており、単純な金額比較だけで言うと今の日本円の価値は3倍近くも上昇しています。
また、人口ボーナス期は高齢者が少ないことで社会保障費が極めて低く、国として儲かったお金の多くをインフラ投資へ回すことができるので、爆発的な経済発展が実現できます。

・人口オーナス期

人口オーナス期とは“若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い人口構造の状態”を指します。
オーナスとは「重荷・負荷」の意味で、人口ボーナス期における経済発展の結果、ある程度裕福になった家庭が増えて、子供に教育投資をするようになっていきました。すると国民全体が高学歴化(大卒が増える)し男女ともに結婚・出産年齢が後ろ倒しとなり、少子化となっていきました。
また、経済成長により医療や年金システムが充実すると寿命が延び、高齢者が増加し、社会保障費が増大するので、一人当たりGDPが横ばいになります。人口オーナス期の典型的な問題は労働人口の減少と、社会保障制度の維持困難と言われており、2020年では2.06人の現役世代(15-64歳)で1人の高齢者(65歳以上)を、2040年では1.5人の現役世代(15-64歳)で1人の高齢者(65歳以上)を支える状態となります。
こうなると、国として稼いだお金の多くは社会保障制度に使われることになり経済発展のスピードが鈍化していきます。

人口ボーナス期 人口オーナス期
人口 増加 減少
経済(GDP) 成長 停滞
物価(円) 安い(円安) 高い(円高)
税金の使い道 経済政策・インフラ等 社会保障・年金

働くルールが変わっていく

日本はバブル崩壊後から、人口オーナス期に突入しております。
もし、日本が人口ボーナス期ならば、男性が労働市場に出て、女性が家事育児を無償労働で役割分担することが社会全体としては高効率となります。
さらに大量生産で安価に作れば作るほど売れる時代もあったのでなるべく長時間/同じ条件で従業員を働かせた企業が勝つというゲームのルールが通常でした。※ちなみに日本はこれを過去に類を見ないほど上手にやりとげた国です。
しかし、それは人口ボーナス期の人口構造があってこそ成り立つルールです。今の人口オーナス期では過去の成功体験と決別し、考え方を転換する必要があります。人口オーナス期の人材の奪い合いが激しくなる状況では、企業は生き残りをかけて男女問わず人材をフル活用する必要があります。このように働く価値観やルールが激変する中で働き方改革を進められないと次第に人材が離れていってしまう状況になります。

働き方改革は万能薬か

ここまで働き方改革の必要性をお伝えしてきましたが、誤解してはいけないのは働き方改革をしたら人材が辞めない或いは人材の応募があるという幻想は捨てなくてはなりません。確かに何も着手していない会社と比較したら人材の定着率も応募も増えるかもしれませんが、周囲の会社も同様に働き方改革に力を入れています。
むしろ、働き方改革に何かしら取り組んでいることが最低限の前提になってきているのです。中小企業が福利厚生や休日、あらゆる制度において勝てる訳がありませんので、働き方改革を少しでもやっていれば良いという幻想は捨てなくてはなりません。

働き方改革の進め方

  1. 社内の小チームで成功体験を創ること
  2. 社内の関係性を高める
  3. 評価制度を見直す

働き方改革を進める上で、いきなり大きな制度を変えたり、トップダウンで制度を見直すだけでは働き方改革は進んでいきません。
なぜなら、実際に現場で働いている人たちがその制度の運用ができなかったり、使いこなせないことがあるからです。それでは、働き方改革の3つのポイントをご紹介させていただきます。

①社内の小チームで成功体験を創ること

働き方改革を進める上でよく聞く失敗談として、全社に一度に進めてしまうことです。確かに制度やルールは全社にトップダウンで落とせばよいとは思われますが一気に変革を起こすとハレーションが生まれてしまいます。
また、仮に年間休日を増やすことやノー残業デーを設けるなどの制度を導入しようと思っても働いている社員の生産性が変わらなければ売上が減少してしまいます。なのでまずは残業を減らすために何をするべきかを小さなチームでトライアルしていくことが良いでしょう。そのトライアルの中で小さな成功体験を作り、その結果をもとに全社展開していくとよりスムーズです。
本や他社がやっている取り組みを参考にすることも素晴らしいですが、他社は他社のビジネスモデルと社員の能力によって実現していることもあります。
それこそ中小企業がGoogleがやっていることをそのまま真似たとしても同じ結果にはなりません。
例が極端ですが、各企業の現状や現有戦力の中で取り組めることに着手していきましょう。

また、1点付け加えると”働き方改革は定時に帰ること”と誤解されている方が多くいらっしゃいますが、そうではなく時間内に良い成果を出すことです。

②社内の関係性を高める

続いては、社内の人間関係の質を高めることです。
「え?生産性とか働き方改革に人間関係って関係あんの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、多いに関係していると言われています。

これは有名な理論ですが、MIT(マサチューセッツ工科大学)ダニエル・キム教授が提唱している、組織の成功循環モデルです。
この理論では「結果の質」を高めるためにはメンバー間の関係の質を高めることからはじめるのが重要であるという考え方です。
例えば以下のような循環が生まれると考えられています。

◆良い循環

職場で社員間の良好な信頼関係が築かれている(①)
社員の思考が前向きになってモチベーションも高まる(②)
すると新しい行動にチャレンジする意欲が生まれる(③)
良い結果が出やすくなる(④)
それによって職場の人間関係もさらに良好になる(①)

というようにプラスの循環がどんどん生まれていく。

◆悪い循環

職場の人間関係が悪く不信感が募る(①’)
思考が萎縮して視野が狭くなる(②’)
前向きな行動も生まれにくくなる(③’)
おのずと結果も出なくなる(④’)
ますます人間関係も悪くなる(①’)

というマイナスのサイクルに陥ってしまいます。

③評価制度を見直す

いよいよ最後の項目です。どれだけ働き方改革が進み、定時内にやるべきことを実施できるようなチームになったとしても、会社の評価が長時間労働を評価するものになっていては結局、働き方改革は浸透しません。どういう意味か具体的にご紹介していきます。

あなたの会社で最も評価される人の順番はどうでしょうか?

  1. 長時間労働且つ成果を出している人
  2. 短時間労働且つ成果を出している人
  3. 長時間労働且つ成果を出せない人
  4. 短時間労働且つ成果を出せない人

さて、御社ではどの人が最も評価されていますか。
働き方改革を推し進めたい!と言っている組織でも長時間労働している人をなぜか評価したくなってしまわないですか。
人間の心理として「一生懸命頑張っている=時間をかけてやっている」と勘違いしてしまいがちです。
なので、実態としては「①→②→③→④」の順番で人事評価してしまっているにも関わらず、方針としては短時間労働を投げかけるという状態になってしまっています。このようなねじれた状態で働き方改革を進めても本当に頑張って短時間労働にした人が評価されず、昔のままの働き方をしている人が評価されるという構図が続いてしまいます。結果的に頑張っていた人もバカバカしくなり元に戻ってしまうというケースも考えられます。
下記の図のように短時間で成果を出している人を評価する制度に見直しましょう。

キャリアゴリラ
なるほどな~評価制度か、、、。
確かに働き方改革を進めているけど、上手く機能していないように感じたのはきっとその部分やな。
だいすけ
ありがとうございます。そうですね、やはり、ハード面もソフト面も両面が大切になってきます。
多くの企業さんは方針だけ掲げたり、それっぽいことだけ言って実態は伴わないケースが多くあります。
このケースが実は一番良くなくて、求職者が騙されてしまうことが多いんですよね。
キャリアゴリラ
ホンマ、そやわ。確かにお題目で働き方改革をやっているというか、目指しているみたいな感じになっていて本気で取り組んでへんのかもしれへん。参考なったわ~

さいごに

働き方改革はともすれば、中小企業をいじめているように捉えられがちな制度ですが決してそんなことはありません。
人口が減少する、働き手が減っていくということは、労働者が貴重になってきており、頑張って働いてくれる人をみんな抱えていたいものです。
よい人材を採用する、定着させるためにも必須な取り組みだと言う風に捉えていただいて是非、前向きにご検討ください。

また、キャリアサバイバルでも働き方改革のコンサルティングを行っております。テンプレート的なものではなく、ハンズオン型(組織の中にがっつり入って動く型)でサポートさせていただきます。
是非、ご興味ご関心のある方はお問い合わせください。まずは無料でご相談ください!

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